Google Agentspace徹底解説：AIエージェントによる業務効率・生産性向上の未来

日々のシステム運用業務において、社内に散在するドキュメントやデータを探し出すのに多くの時間を費やしていませんか？
あるいは、定型的ながらも時間のかかるタスクに追われ、より戦略的な業務に集中できないという課題を抱えていないでしょうか。

この記事では、Google Cloudが提供する新しいエンタープライズAIプラットフォーム「Google Agentspace」が、これらの課題をいかに解決し、あなたの業務を劇的に変革する可能性を秘めているかを解説します。この記事を読み終える頃には、Google Agentspaceを活用して情報検索を自動化し、生産性を向上させるための具体的なイメージが湧いているはずです！

Google Agentspaceとは？ -Google Cloudが提供する次世代のエンタープライズAIプラットフォーム-

Google Agentspaceは、組織内に分散した情報源を横断的に検索し、AIエージェントを活用してタスクの自動化や複雑な問題解決を支援する、Google Cloudの新しいエンタープライズAIプラットフォームです。

従来のように、複数のアプリケーションやシステムを個別に検索する必要はなく、一つのインターフェースから必要な情報へ迅速にアクセスできます。これにより、情報検索にかかる時間が大幅に削減され、インフラエンジニアやSREは本来注力すべき価値の高い業務に集中できるようになります。

Google Agentspaceの主要機能

Google Agentspaceは、日々の運用業務を効率化し、生産性を向上させるための強力な機能群を提供します。ここでは、その中核となる機能を紹介します。

ホーム画面の探求：直感的なインターフェース

Google Agentspaceのホーム画面は、ユーザーが直感的に操作できるよう設計されています。

ここから、Geminiを利用した対話、AIエージェントの実行、保存されたプロンプトの呼び出し、そして後述するNotebookLMへのアクセスが可能です。洗練されたUIにより、技術的な専門知識が豊富でないユーザーでも、すぐにその機能を活用し始めることができます。

強力な基盤モデル：Geminiの活用

Google Agentspaceの中核を担うのは、Googleの最先端AIモデルであるGeminiです。ユーザーは対話インターフェースを通じて、ドキュメントの要約、アイデアの生成、さらには業務に関連するアクションの実行まで、多岐にわたるタスクをGeminiに依頼できます。

モデルは、デフォルトの「オート」設定に加え、特定のニーズに応じて「2.5 Flash」や「2.5 Pro」といったバージョンを選択することも可能です。これにより、タスクの複雑さや求める応答速度に応じて、最適なパフォーマンスを引き出すことができます。

インテリジェントな情報検索：Google検索とサードパーティデータソースの連携

Google Agentspaceの真価は、その卓越した情報検索能力にあります。Google検索の結果を直接ソースとして利用できるだけでなく、組織が利用している様々なサードパーティ製アプリケーションとの連携も可能です。

連携可能なアプリケーション例	説明
Google Workspace	Googleドライブ内のドキュメントやGmail、カレンダーの情報を横断検索。
Microsoft 365	SharePointやOneDriveに保存されたファイルも検索対象に。
Salesforce, Jira, Confluenceなど	CRMやプロジェクト管理ツール内の情報も統合して検索可能。

接続可能なサードパーティデータソースに関しては公式ドキュメントをご確認ください。

試しにSharePointを接続し、「購入した本リスト」を検索してみました。対象のSharePointページ内のファイルから結果を出力されます。この連携機能により、文字通り組織のあらゆる情報が一元的に管理され、必要な情報へのアクセスが劇的に簡素化されます。

カスタムAIエージェントの作成と活用

Google Agentspaceでは、組織や個人の特定のニーズに合わせてAIエージェントをカスタマイズできます。コーディングの知識がなくても、自然言語で指示を与えるだけで、特定のタスクを自動実行するエージェントを作成可能です。

※カスタムエージェントの利用には、Google Agentspace Enterprise Plusプランである必要があります。（公式ドキュメントより参照）

また、デフォルトで「Deep Research」という強力なエージェントが用意されています。このエージェントは、特定のトピックに関する社内外の情報を網羅的に調査し、引用付きのレポートを生成することができます。

試しに、「Agentspace のDeep Researchできることについてレポートしてください。」とお願いしてみました。リサーチプランを確認し、「リサーチを開始」を押下することでレポート作成が開始されます。

生成には数分かかりますが、かなり詳細なレポートが情報源付きで出力されます。これにより、競合製品の調査や新しい技術の評価といったリサーチ業務を大幅に効率化できます。

すぐに使えるプロンプトとNotebookLM

Google Agentspaceには、業務ですぐに役立つプロンプトがデフォルトで複数用意されています。

これらを利用することで、プロンプトエンジニアリングに慣れていないユーザーでも、質の高い回答をAIから引き出すことが可能です。

また、Google Agentspaceは「NotebookLM」というAI搭載の調査・執筆支援ツールと統合されています。

NotebookLMを使用すると、ドキュメントやウェブサイト、メモといった複数のソースをアップロードし、それらの情報に基づいてAIと対話しながら、要約の作成や質問への回答、アイデアの整理などを行うことができます。複雑な技術仕様書や障害報告書の内容を迅速に把握し、次のアクションを検討する際に極めて有効なツールです。