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【Developers Summit 2025】「Gemini in BigQuery が導く、データ分析の次のステップ: raw データからインサイト獲得までの AI 活用法」セッションレポート

2025 年 2 月 13 日, 14 日の 2 日間にかけて開催されたDevelopers Summit 2025に参加しました!本レポートでは、Googleの最新技術「Gemini in BigQuery」を活用したデータ分析に関するセッションの内容をレポートします。

Developers Summit(デブサミ)とは?

Developers Summit(デブサミ)は、株式会社翔泳社 CodeZine 編集部主催の 2003 年から毎年開催される IT エンジニアのための祭典です。「デベロッパーをスターにし、世の中のアップデートを加速する」をミッションに、毎年開催されています。

今年はホテル雅叙園東京で開催されました。デブサミ 2025 のテーマは「ひろがるエンジニアリング」でした。エンジニアリングの可能性を広げる最新の技術トレンドや、社会を大きく変えうるエンジニアリングの力を実感できる、数多くのセッションが開催されました。

セッション概要

今回お届けするセッションの情報はこちらです。

セッションタイトルGemini in BigQuery が導く、データ分析の次のステップ:raw データからインサイト獲得までの AI 活用法
セッションの概要本セッションでは、Google Cloud の強力なデータ ウェアハウスであるBigQuery と、最先端の生成 AI モデル Gemini を組み合わせた、Gemini in BigQuery を活用し、データ分析の効率と効果を飛躍的に向上させる方法をご紹介します。データ分析は、raw データから価値あるインサイトを引き出し、ビジネスの意思決定を支援する重要なプロセスですが、多くの時間と専門知識を要します。Gemini in BigQuery は、SQL クエリの自動生成や補完、コードの説明、データ準備の支援といった機能により、これらの課題を解決します。データ分析ジャーニーを例に、Gemini in BigQuery がどのように分析プロセスを効率化するのかを具体的に解説します。さらに、BI ツールとの連携や、BigQuery をベースにした検索エンジンの構築といった、データ活用における幅広い可能性についてもご紹介します。Gemini in BigQuery がデータ分析にもたらす革新を体験し、ビジネスにおけるデータの価値を最大化するためのヒントをぜひお持ち帰りください。
登壇者グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
データアナリティクス スペシャリスト
山田 雄

はじめに:データ活用の重要性

日本国内の企業が 1 年間に生んだ価値は年間 17 兆円(生成 AI の活用されていない 2020 年までの数字。現在はおそらく 20 兆円以上とされる)にも及ぶとされており、その活用が課題となっています。

本セッションでは、BigQuery と Gemini を組み合わせることで、より高度なデータ分析と効率的なインサイトの獲得を実現する方法が紹介されました。

データは企業にとって価値のある資産ですが、適切に活用できていないケースが多くあります。そこで、Google Cloud は「データの民主化」を促進し、誰でもデータを活用できる環境の構築を目指していると述べました。

データの民主化とセルフサービス型のデータ基盤

従来のデータ分析は、エンジニアやアナリストに依存することが多く、意思決定のスピードが遅れる課題がありました。その解決策としてセルフサービス型のデータ基盤が注目されています。

このアーキテクチャでは、

  1. データの民主化:エンジニア以外の人もデータにアクセスできるようにする
  2. データメッシュアーキテクチャ:特定のドメインごとにデータ管理を行い、組織全体のガバナンスを効かせる
  3. 生成AIを活用したデータ分析の効率化

などの要素が組み合わさり、データ活用のハードルを大きく下げることができます。

Gemini と BigQuery がもたらすデータ活用の革新

今回の講演では、Google の最新 AI、Gemini を活用し、BigQuery 上でデータ分析を強化する方法が紹介されました。

セマンティックサーチ:自然言語でデータを発見

「SQL で分析したいが、テーブル名を忘れてしまった…」という経験はありませんか?Gemini を活用すれば、自然言語で検索し、適切なデータを見つけることが可能になります。これにより、分析作業がスムーズに進むようになります。

データプリパレーション(前処理の自動化)

データの前処理は、多くの分析者にとって負担の大きい作業です。BigQueryではGUIを活用し、データクレンジングや整形を自動化できます。例えば、

  • バラバラの日付フォーマットを統一
  • 欠損値の処理
  • カテゴリデータの正規化

といった処理が数クリックで完了し、データ準備の時間を大幅に短縮できます。

SQL の自動生成と補完機能

SQL の記述も Gemini がサポートします。

  • 自然言語で質問すると SQL を自動生成
  • コメントを追加すると、それに応じた SQL を補完
  • window 関数などの難しい構文も自動補完

SQL の習熟度に関わらず、スピーディーに正確なクエリを書けるようになる点が大きなメリットです。

より良いサポートを得るためには、テーブルのメタデータを整備しておくと良いそうです。例えばカラムの値が 1 や 3 など数字だけの場合、Gemini 側ではその意味がわかりませんが、以下のようにコメントを書いておくことで Gemini が理解してくれるようになります。

1 = 晴れ、 2 = 曇り、3 = 雨のように天気を示す値の場合、「数値は天気を示し、1 = 晴れ、2 = 曇り、 3 = 雨」と記載があることで、「晴れの日のデータを取得してください」といった自然文でもクエリを取得することができるようになります。

データインサイトの自動抽出

データを受け取っても、「どこから分析すればよいか分からない」という課題を解決するのがデータ インサイト機能です。Gemini がテーブルの構造を解析し、20 種類以上の分析テンプレートを提案してくれるため、データ分析のハードルが格段に下がります。

データキャンバス:完全なセルフサービス分析環境

BigQuery の UI 上で、自然言語によるデータ検索、SQL 生成、可視化を 1 つの画面で完結させる「データキャンバス(BigQuery Data Canvas)」という機能も紹介されました。

  • 「〇〇の売上を日別に表示して」と入力するだけで SQL 生成
  • データをその場で可視化し、並び替えなども自然言語で指示可能
  • 複数のデータを組み合わせて深掘り分析が可能

直感的な UI を活用することで、データ分析初心者でも高度な分析が可能になります。

また、この機能を活用することによりデータ分析の過程もひとつの画面上に残すことが可能となります。どういった思考回路でこの分析を行ったのか、マインドマップとして残るため、このキャンバスを共有することでナレッジシェアとしても利用できます。として残るため、このキャンバスを共有することでナレッジシェアとしても利用できます。

Gemini と BI ツールの連携

Google の BI ツール「Looker」との連携機能も紹介されました。

  • ダッシュボードの自動解釈
    • ダッシュボードの内容を Gemini が要約し、洞察を提示
  • スライドの自動生成
    • 分析結果を基に、自動でプレゼン資料を作成

これらの機能を活用することで、データ活用の PDCA サイクルを高速化できます。

まとめ:データの未来を切り拓くGemini と BigQuery

本講演では、データ活用の未来を支える Gemini と BigQuery の強力な連携について紹介されました。

  • データの民主化を推進し、誰でもデータを扱える環境を構築
  • セルフサービス型データ基盤を実現し、データ分析の生産性を向上
  • Gemini の AI 機能を活用し、SQL 生成・データインサイト抽出を自動化

これらの取り組みにより、これまで以上にデータをビジネス価値へと変換しやすくなることが期待されます。

これまでは、構造化されたデータの分析がメインとなっていましたが、AI の活用により非構造化データの分析も徐々に可能になっています。また、紹介された機能からもわかる通り、AI を活用することで専門家以外も自分自身での分析が出来るように変化しています。

AI を活用し、データを分析するだけでなくデータに価値を付与する時代が到来しています。

今後も Google Cloud の技術革新に注目し、企業のデータ戦略にどう活かせるかを探っていきたいところです。

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