【AWS re:Invent 2024】Accelerating content production with generative AI, featuring the NFL(講演レポート)
AWS re:Invent とは?
re:Inventとは、Amazon Web Services(以下、AWS)が主催するAWSに関する技術的なセッションや、展示ブース、試験準備のためのブートキャンプ、ゲーム化された演習などを通じて、参加者が主体的に学習できるAWS最大のイベントです。
2024年は12月2日から6日までの5日間開催されており、日本をはじめ世界中から多くの人が参加しています。
セッション情報
セッション名 | ジェネレーティブAIでコンテンツ制作を加速、NFLを特集 |
---|---|
セッション概要 | ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のメディアチームは、Amazon Q Businessのパワーを取り入れ、コンテンツ制作プロセスに革命をもたらしました。この最先端のテクノロジーをワークフローに組み込むことで、メディアアセット、試合のハイライト、ソーシャルメディアへの投稿、グラフィックの作成と公開を大幅に加速させ、同時に優秀なコンテンツクリエイターの生産性を向上させました。このセッションに参加して、NFLの先駆的な道のりからベストプラクティスを学び、それが彼らのビジネスに与えた影響と避けるべき障害について学びましょう。Amazon Q Businessを活用してコンテンツ制作を強化する方法を実践的に学びましょう。 |
登壇者 | Eric Peters Jessie-Lee Fry |
セッション詳細
初めに
本セッションでは、NFLにおけるAmazon Qの導入事例について紹介していました。
Amazon Q businessは、ビジネス上の質問に対して、迅速、正確、適切な回答を安全かつ非公開で提供してくれます。
NFLにおいてはカスタマーサポート、ITサポート、リスク・コンプライアンス、ナレッジマネジメント、人事で特に効果を発揮したとのことでした。
NFL MediaのPOCでは、93%の精度が得られ、問い合わせに回答する時間が数時間から数分に大幅に短縮されたそうです。
「DUKE」と名付けられたこのシステムは、現在300人のユーザーに利用され、生産性を向上させ、確保した人材のトレーニング時間を3~5時間から1時間に短縮しました。
今後の計画としては、ユースケースの拡大や他のツールとの統合があるそうです。
NFLがAmazon Q を導入することとなったきっかけ
NFLメディアは、季節雇用や大規模な人材確保、そしてオンボーディング・トレーニングの必要性があるとしていました。そして、従来のオンボーディング方法は時間がかかり非効率的で、コンテンツ制作の遅れにつながってしまっていました。
NFLメディアは、ユーザーの技術情報へのアクセスを効率化し、クリエイティブ以外の作業に費やす時間を削減するために、ジェネレーティブAIを模索していました。
導入までの過程
そこでNFLメディアは、質問と回答のテストセットを設定しました。
Amazon Qチームとの定期的なフィードバックと繰り返しにより、4つの異なるLLMの制度のテストを実施したとのことでした。
POC中にモデルのアップデートが行われた結果、精度が80%向上し、POC終了時には93%に達しました。
こうしてNFLメディアは、Amazon Qの本番使用を決定し、アプリを 「Duke」と命名しました。
導入後の結果
Dukeは2024年8月にリリースされ、300人の登録ユーザーがおり、制作チームやコンテンツ制作者が毎日使用しているそうです。
Dukeは、技術的な質問への回答時間を数時間から数分に大幅に短縮し、確保した人材のオンボーディング・トレーニングの時間を3~5時間から1時間に短縮しました。
具体的な内容としてこのアプリは、選手の発音ガイド、試合スケジュール作成、技術文書など、さまざまな用途に応じて使用されているとのことです。
終わりに
以上、NFLがAmazon Q を導入した事例についてのレポートでした。
その他のセッションでも、昨年発表されたAmazon Qをアピールしている印象でした。
この機会にぜひ社内ツール開発等でAmazon Qの使用を検討してみてはいかがでしょうか。