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オンプレミス運用の今後とは?クラウドシフトが加速する理由についても紹介

オンプレミス運用の今後とは?クラウドシフトが加速する理由についても紹介

近年、ITインフラ管理においてクラウドの利用が急速に普及していますが、オンプレミスの運用も依然として多くの企業で採用されています。

本記事では、オンプレミスの基本的な特徴、現在の利用状況、そしてクラウドへのシフトが加速している背景について紹介します。

オンプレミスの概要

オンプレミスの概要

オンプレミスについてご存知でしょうか。オンプレミスの特性や現在の利用状況を理解することは、システム運用の選択肢を考える上で非常に重要です。ここでは、オンプレミスの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

オンプレミスについて

オンプレミスとは、企業が自社内でサーバーやネットワーク機器などのITインフラを所有・運用する形態を指します。企業は自社の施設にハードウェアを設置し、システムの管理や運用を行うため、セキュリティやカスタマイズ性に優れている点が大きな特徴です。

メリットとしては、企業がシステムの全権限を持つため、データやインフラの制御をコントロールできる点があります。また、外部のクラウドサービスに依存せず、セキュリティポリシーやデータ管理を自社の基準で運用できるため、機密情報を多く扱う業界や、高度なセキュリティ要件が求められる組織にはポイントとなります。

一方、デメリットとしては、初期投資や運用コストが高くつきやすいこと、サーバやリソースに詳しい専任のITスタッフが必要な点が挙げられます。また、拡張性に限界があり、急なリソースの増減に柔軟に対応することが難しいことも挙げられます。

オンプレミスの利用状況

近年、オンプレミスの利用は減少傾向にあります。

総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告」によると、2021年の国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)の市場規模は約6,215億円となり、前年比1.9%減少し、2年連続でマイナス成長を記録しました。

一方で、日本のパブリッククラウドサービス市場は成長を続けており、総務省の「令和6年 情報通信に関する現状報告」によると、2023年には前年比25.8%増の3兆1,355億円に達する見込みとなっております。この差は今後も広がるものと予測されます。

日本のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)の推移及び予測

出典:パブリッククラウドサービス市場規模(売上高)の推移及び予測令和6年 情報通信に関する現状報告)総務省 

オンプレミスの利用が減っている原因

オンプレミスの利用が減っている原因

オンプレミスの利用が減少している理由について3つのポイントを踏まえて紹介します。

準備や運用に時間やコストがかかりやすい

オンプレミス運用では、まず、ハードウェアやネットワーク機器の購入、設置、設定に多大な準備が必要です。また、システムが複雑化するほど、導入前に最適なサイジングやインフラ設計を行うための計画が求められ、そのための人員や時間が必要になります。

さらに、運用が開始された後も、メンテナンスやアップデート、障害対応には専任の技術者が不可欠です。これらの業務を社内でまかなうためには、高度な専門知識を持つ人材を確保する必要があり、労働コストが増加する可能性があります。

また、オンプレミス環境では、予期せぬシステム障害が発生した場合、迅速な対応が求められるため、さらなるコストと時間がかかることが多いです。

サイジングの最適解が分かりにくい

サイジングとは、システムに必要なリソース(サーバーの性能や容量など)を事前に見積もり、適切に設定することを指します。しかし、将来の需要を正確に予測するのは非常に困難です。もしリソースを過剰に準備すれば無駄なコストが発生し、逆に不足すればパフォーマンスの低下やシステム障害を引き起こすリスクがあります。

特に、事業規模やユーザー数が急激に変動する場合、オンプレミス環境では柔軟にリソースを調整することが難しく、常に最適なサイジングを維持することは困難です。そのため、サイジングに失敗した場合、システム全体の効率やコストに悪影響を与える可能性が高まります。

企業に対応できる人材がいない

オンプレミス環境では、サーバーの設置からネットワークの管理、システムの保守に至るまで、広範なIT知識と経験が必要です。これらの作業を担当するためには専任のエンジニアが欠かせませんが、近年ではIT人材の不足が深刻化しており、特にオンプレミスに対応できる技術者の確保が難しくなっています。

さらに、オンプレミスを運用するための技術は、クラウドなどの最新技術と比較して複雑かつ高度であることが多く、これが人材育成に時間とコストを要する要因となっています。このような状況により、企業は必要な対応が遅れたり、技術的な問題が解決できなかったりするリスクに直面しています。

結果として、オンプレミス運用の効率が低下し、コスト増加や運用リスクが高まる可能性があります。

クラウドを活用する企業が増えている理由

クラウドを活用する企業が増えている理由

なぜクラウドを活用する企業が増加しているのでしょうか。ここでは、4つのポイントを紹介します。

初期投資に時間やコストがかかりにくい

クラウドを活用するメリットの一つは、初期投資を低く抑えられる点です。

クラウドサービスは、必要なリソースを必要な分だけ利用する『従量課金制』を採用しており、ハードウェアの購入や設置にかかる初期コスト、管理費用を大幅に削減できます。これにより、企業は大規模な資本投資を行わずに、迅速かつ柔軟にシステムを立ち上げることが可能になります。

また、導入スピードもクラウドの大きな利点です。専用のインフラ整備や複雑な準備作業が不要で、インターネット接続があればすぐにサービスを利用開始できます。そのため、プロジェクトの立ち上げや事業展開のスピードを向上させ、タイムリーな市場投入が実現しやすくなります。

責任範囲をクラウドサービスプロバイダーと分けることができる

クラウドには、AWS(Amazon Web Services)などが提唱する「責任共有モデル」と呼ばれる考え方があります。このモデルでは、下図のようにインフラのセキュリティや維持管理はプロバイダーが担当します。これにより、ユーザーはデータやアプリケーションの管理に専念することができます。

企業はこのモデルにより、サーバーやネットワークのセキュリティ管理にかかる負担を大幅に軽減でき、システム全体の安定性を確保しやすくなります。さらに、クラウドプロバイダーは最新のセキュリティ対策やコンプライアンス要件に対応しているため、企業自身がそれらを維持する手間が削減され、リスク管理が簡素化されるという大きな利点もあります。

結果として、企業はコア業務にリソースを集中でき、ITインフラ管理にかかるコストや時間の効率化が図れます。

さまざまなサービスを提供している

クラウドサービスは、クラウドプロバイダーによってはコンピューティングやストレージだけでなく、多岐にわたるサービスを提供している点が特徴です。

例えば、AWS(Amazon Web Services)は、データ分析や機械学習、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)に加えて、自動運転やゲーム開発など、さまざまな分野に対応したサービスを提供しています。これにより、企業は最新技術を手軽に導入し、自社のビジネスに適したソリューションを迅速に活用することが可能です。

さらに、クラウドサービスは高度なスケーラブルが可能なため、リソースの増減が容易で、急な需要の変化にも柔軟に対応できます。また、専門知識がなくても複雑なシステムや技術を簡単に利用できるよう設計されているため、開発や運用の負担を軽減し、イノベーションを促進することができます。

セキュリティやBCPの対策に有効

クラウドは、セキュリティ対策やBCP(事業継続計画)の観点からも非常に有効なソリューションです。クラウドプロバイダーは、最新のセキュリティ技術や自動化された監視システムを導入しており、データの暗号化や脅威のリアルタイム検出など、複数のレイヤーで提供しています。これにより、企業は高いセキュリティレベルを容易に維持でき、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクを大幅に軽減できます。

さらに、BCPの観点からもクラウドの利点は大きく、災害時やシステム障害が発生した際には、クラウド環境によって速やかなデータのバックアップや復旧が可能です。世界中に分散されたデータセンターを活用することで、データの冗長化や災害対策が強化され、事業の中断を最小限に抑えることができます。

このように、クラウドを活用することで、企業はより安心してシステム運用に集中できるようになります。

マネージドサービスを活用することもおすすめ

マネージドサービスを活用することもおすすめ

ここまで、クラウドを活用する企業が増えている理由について紹介しましたが、人材がおらず導入が難しい企業も少なくありません。

そこでおすすめなのが「マネージドサービス」です。ここでは、マネージドサービスがおすすめな理由を3つ紹介します。

専門知識がなくてもやりたいことができる

マネージドサービスとは、システムの運用や管理を専門業者に委託できるサービスです。これにより、企業は自社に高度なITスキルを持つ人材がいなくても、複雑なシステム運用や技術的な課題に対応できます。特に、サーバーの管理、ネットワークの監視、データバックアップなど、日常的に必要なIT作業をマネージドサービスが代行するため、企業は安心して運用を任せることが可能です。

マネージドサービスを利用することで、企業はシステムの導入や運用の複雑さを気にせず、自社のニーズに合わせた柔軟な運用が可能になります。さらに、必要に応じて最新技術を活用したり、マネージドサービスが提供するサポートを受けたりすることで、効率的かつスムーズにビジネスを進めることができます。

コア業務にリソースを集中できる

企業において、ITシステムの運用を担当する人材を確保することは決して容易ではありません。さらに、これらの人材を育成するためには多大な時間とコストがかかります。IT業界では常に最新技術やスキルが求められるため、継続的なトレーニングや研修が必要であり、人的リソースの負担は大きいです。

しかし、マネージドサービスを活用することで、こうした課題を大幅に軽減できます。ITインフラの管理や運用を外部の専門プロバイダーに委託することで、企業は人材の育成や管理にかかるコストや時間を削減し、自社のコア業務にリソースを集中させることが可能です。これにより、IT運用に煩わされることなく、ビジネスの成長や戦略に専念できる環境が整います。

高度なセキュリティ対策にも対応可能

マネージドサービスを提供する企業は、高度なセキュリティ対策においても優れています。進化し続けるサイバー攻撃や脅威に対して、最新のセキュリティ技術を活用し、迅速に対応します。例えば、データの暗号化、不正アクセスの検知、リアルタイム監視など、複数の層にわたる保護を実施しており、これにより企業はこれらの対策を自社で導入・維持する負担を軽減できます。

さらに、コンプライアンス要件や業界のセキュリティ基準に対応したサービスを提供することで、企業はマネージドサービスを活用しながら、高水準のセキュリティ対策を常に維持することが可能です。これにより、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクを最小限に抑え、企業は安心してシステム運用に専念できる環境を整えることができます。

クラウド運用におすすめなマネージドサービスは?

JIG-SAW OPS公式サイト

出典: JIG-SAW OPS公式サイト

ここまでマネージドサービスの利点を紹介してきましたが、具体的にどのマネージドサービスを選べば良いのでしょうか。

おすすめはずばり「JIG-SAW OPS」です。そのポイントを3つ紹介します。

自動化と人の二重監視・保守体制

JIG-SAW OPSにおける自動化と人の二重監視・保守体制

出典: JIG-SAW OPS公式サイト

JIG-SAW OPSでは、独自開発の自動監視システム「puzzle」を活用し、複数のベンダーが混在する広範囲な環境においても、常時稼働状況を監視する体制を整えています。これに加え、24時間365日体制の有人監視も行っており、障害が発生した際には、専任のシステムエンジニアが迅速にログの調査やクラスタ構成の復旧作業をサポートします。

さらに、お客様と緊密に連携して対応するフルマネジメントプランも提供しており、想定外のトラブルや障害が発生した場合にも、柔軟かつ迅速に対応が可能です。この万全のサポート体制により、安心してシステム運用を任せることができ、障害時にも速やかなサービス復旧が実現します。

AWSも含めた国内外20サービスとのマルチクラウド

JIG-SAW OPSは、AWSだけでなく、Google CloudやMicrosoft Azureといった海外クラウドに加え、さくらのクラウドやBIGLOBEクラウドホスティングなど、国内外合わせて20種類のクラウドサービスに対応しています。これにより、企業は複数のクラウド環境を一元管理し、最適な運用を実現できます。

さらに、クラウド導入の経験が少ない企業に対しても、丁寧なヒアリングを通じてニーズや要件を的確に把握し、最適なクラウドサービスの選定を支援します。これにより、企業は成長に応じて柔軟なクラウド運用が可能となり、効率的かつ効果的にITインフラを活用できます。JIG-SAW OPSのサポートを通じて、企業は高度なクラウド管理を実現し、持続的なビジネスの発展を促進できます。

お客様に合わせた4つのプラン

AWSも含めた国内外20サービスとのマルチクラウド出典: JIG-SAW OPS公式サイト

JIG-SAW OPSでは、企業の利用方法や要望、予算に応じて、「アラート検知通知」「一次・二次対応」「運用・サーバ保守業務」などを組み合わせた4つのプランが設計されています。これにより、企業のリソースや将来計画、人材育成を考慮しつつ、最適なプランを選択することが可能です。

また、JIG-SAW OPSの担当者と綿密に相談しながらプランを決定できるため、各企業のニーズに最適化された柔軟なクラウド運用が実現します。このプロセスにより、企業は安心してクラウド運用を委ねることができ、効率的かつ安定したIT運用を期待できるでしょう。JIG-SAW OPSのサポートにより、企業は業務効率の向上と安定したシステム管理を享受できます。

まとめ

本記事では、オンプレミスとクラウドの特徴、そしてクラウドへのシフトが進んでいる理由を解説しました。企業のIT運用において、コストやリソースの効率化を図るためには、自社に最適な運用方法を選ぶことが重要です。

オンプレミスやクラウド運用に関してお悩みの際は、ぜひJIG-SAWまでお気軽にご相談ください。

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