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AWSコスト管理担当者必見!高額な請求を避けるために抑えておくべき点を徹底解説

AWSコスト管理担当者必見!高額な請求を避けるために抑えておくべき点を徹底解説

クラウドサービスの柔軟性や拡張性がビジネスに大きな利点をもたらす一方で、予期せぬAWSのコスト増加に頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、高額な請求を避けるために、AWSコスト管理で特に重要なポイントをわかりやすく解説します。実践的なテクニックとともに、コストの無駄を減らしながら効率よくAWSを利用するためのポイントをお届けします。

AWSのコストは従量課金制

AWSは利用した分だけ料金が発生する従量課金制を採用しています。これにより、リソースを必要な時だけ使い、コストを効率的に管理できます。無駄な支出を抑え、ビジネスのニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。

 前払い・初期費用が発生するサービスもある

AWSの多くのサービスは従量課金制ですが、一部には前払いプランや初期費用が発生するものもあります。特にAmazon EC2のリザーブドインスタンスやS3の長期保存プランなど、契約期間を設けることでコストを削減できるオプションがあります。これらは、予測可能なワークロードや長期プロジェクトにおいて、コストを抑えたい企業に向いています。利用するサービスの特性やニーズに応じて、最適な料金プランを選択することが重要です。

 無料利用枠でAWSコストを抑える

AWSは新規ユーザー向けに、12ヶ月間無料で利用できる無料利用枠を提供しています。この枠内では、Amazon EC2のインスタンスやAmazon S3のストレージなど、多くの主要サービスをコストをかけずに試すことが可能です。また、無料利用枠は企業がクラウド環境に慣れるための学習機会としても有効です。ビジネスの成長に伴って利用を拡大する際にも、コスト管理を意識しながらAWSのリソースを段階的に活用することができます。

【クラウド移行前に確認】AWSのコスト計算ツール

クラウド移行を検討する際に、多くの企業がまず気にするのは「コスト」です。オンプレミス環境からAWSに移行すると、柔軟でスケーラブルなインフラが得られる一方で、コストの見積もりが難しく感じられることも少なくありません。AWSではさまざまなコスト計算ツールを提供しており、移行の前にこれらを活用することで、運用開始後のコストを正確に把握しやすくなります。

AWSのコスト計算ツールには、具体的な見積もりを行う「AWS Pricing Calculator」や、ざっくりとした概算を知りたい方向けの「ざっくりAWS」があります。これらのツールをうまく使い分けることで、移行前の予算計画を明確にし、運用後に想定外のコストが発生するリスクを軽減できます。

AWS Pricing Calculator

 AWS Pricing Calculator

AWS Pricing Calculatorは、AWSのサービスごとに詳細なコスト見積もりを行うための公式ツールです。このツールを使えば、必要なサービスやリソースを選択し、設定することで具体的な見積もりが可能です。

たとえば、EC2インスタンスのタイプやリージョン、データ転送量などを指定して、月額コストや年間コストをシミュレーションできます。これにより、AWS上でのインフラ構成がどの程度のコストになるかを事前に理解でき、計画的な予算管理がしやすくなります。

Pricing Calculatorは、複雑なインフラを構築する場合や、長期的なコストを正確に把握したい場合に役立ちます。また、異なる構成のシナリオ比較も可能で、計画中のAWS環境が現行の環境と比べてどの程度コスト効率が良いのかを評価する手助けにもなります。AWS Pricing Calculatorを活用することで、クラウド移行に伴うコストの透明性が向上し、安心して移行プロジェクトを進めることができます。

ざっくりAWS

 ざっくりAWS

「ざっくりAWS」は、AWSのコストを大まかに見積もりたい方向けの計算ツールです。非公式ツールとはなりますが、簡単なインターフェースとシンプルな操作性が特徴で、AWSに馴染みのない方でも扱いやすい設計になっています。具体的な設定を一つひとつ入力するのではなく、ざっくりとした項目を選択することで、おおよそのコストが表示されます。

たとえば、基本的なウェブサイト構築や簡易的なデータ保存のコストを知りたい場合には、このツールを利用するとよいでしょう。特に、AWSの複数のサービスを使う場合や、サービス詳細まで細かく設定する必要がない段階での見積もりには非常に便利です。ざっくりとしたコストイメージを持ちたい段階でこのツールを活用することで、AWSのコスト感覚をつかむことができます。

AWS Billing and Cost Managementに含まれる主なサービス

AWS Billing and Cost Management

AWS Billing and Cost Managementは、AWSのコストを効果的に管理し、最適化するための一連のツールを提供しています。これにより、利用状況とコストの把握や予算設定、コストの最適化が可能となります。ここでは、AWS Billing and Cost Managementに含まれる主なサービスを紹介します。

請求ダッシュボード

請求ダッシュボードは、AWSアカウントの請求状況や利用状況の概要を一目で確認できる画面です。毎月の請求額やサービス別の利用状況、支払い方法などが一元管理されており、直感的なインターフェースで操作が可能です。支出の増減や、各サービスの利用パターンをリアルタイムで追跡し、今後の予算計画に役立てられます。

 請求書

請求書機能では、毎月の請求書や明細のダウンロードが可能です。詳細な請求情報には、各サービスの利用量や料金の内訳が記載されており、支出管理を精密に行うための参考になります。また、請求書のPDF形式やCSV形式でのエクスポートが可能なため、財務報告や会計業務にも活用できます。

AWS Cost Explorer

AWS Cost Explorerは、AWSサービスの利用状況とコストを詳細に分析できるツールです。過去の利用状況やコストのトレンドを可視化し、将来の支出を予測するためのデータを提供します。また、サービス別やタグ別、利用者別など多角的な視点でコストを分析でき、無駄な支出を発見してコスト最適化を図るための強力なサポートツールとなります。

AWS Budgets

AWS Budgetsは、AWSのコストや使用量に対する予算を設定し、予算に基づくアラートを作成できる機能です。予算の範囲内で使用量やコストが管理されるよう、リアルタイムで追跡と通知が行われるため、予算超過のリスクを最小限に抑えられます。特に、プロジェクトごとや部門ごとの予算管理において便利です。

 コストと使用状況レポート

コストと使用状況レポート(CUR)は、AWSの利用状況と関連するコストの詳細なデータを提供します。このレポートは、ユーザーが定義した特定の時間枠やサービスの使用状況、請求方法に基づいてカスタマイズ可能であり、詳細なレベルでの分析やレポート作成をサポートします。特に、データ分析やコスト最適化のために必要な詳細データを提供する点で価値があります。

AWSコストを削減するためにすべきこと

AWSコストを削減するためにすべきこと

AWSで稼働しているシステムのコストを削減するために、AWSが推奨している9つの手法を1つずつ解説します。

1.未使用のEC2やRDSは停止・削除する

AWS環境では、開発やテストなどで一時的に使用したEC2インスタンスやRDSデータベースが放置されがちです。これらのリソースは、たとえアイドル状態であってもコストが発生します。長期間使っていないリソースが放置されることがないように、定期的に未使用のリソースを洗い出し、停止または削除することで、無駄なコストを抑えましょう。

2.未使用のRedshift クラスターのコストを削減

Redshiftクラスターは、使用頻度が低い場合でもコストが発生します。利用頻度が低いクラスターは、一時停止したり、サイズを縮小したりすることで、コストを削減できます。また、Redshift Spectrumを利用することで、S3上のデータを直接クエリできるようになり、Redshiftクラスターのサイズを小さくできる可能性もあります。

3.S3はIntelligent-Tieringのストレージクラスを利用する

S3のストレージクラスは、データのアクセス頻度によって最適なものを選択することで、コストを削減できます。Intelligent-Tieringは、S3オブジェクトのアクセスパターンを自動的に学習し、ストレージクラスを最適化してくれる機能です。頻繁にアクセスされるデータは高性能なストレージクラスに、あまりアクセスされないデータは低コストのストレージクラスに自動的に移行されるため、コスト効率の良い運用が可能になります。

4.DynamoDBはオンデマンドのキャパシティーモードを利用する

DynamoDBのキャパシティーモードには、プロビジョンドとオンデマンドの2種類があります。プロビジョンドモードは、事前に容量を指定する必要があり、利用状況に合わせて柔軟に調整できない点がデメリットです。一方、オンデマンドモードは、利用状況に応じて自動的に容量が調整されるため、無駄なコストを抑えることができます。

5.十分に活用されていないEC2インスタンスのコスト削減

EC2インスタンスは、CPUやメモリなどのリソースが十分に利用されていない場合、コストパフォーマンスが低い可能性があります。インスタンスのサイズを小さくしたり、インスタンスタイプを変更したりすることで、コストを削減できます。また、Auto Scalingを利用することで、需要に応じて自動的にインスタンスの数を増減させ、コストを最適化することも可能です。

6.十分に活用されていないネットワークリソースを削除する

ネットワークリソースも、未使用であればコストが発生します。不要なセキュリティグループやネットワークインターフェース(NIC)は、削除することでコストを削減できます。また、VPC peering接続なども、必要最小限に抑えることが重要です。

7.EC2スポットインスタンスを利用する

EC2スポットインスタンスを利用

スポットインスタンスは、AWSの余剰リソースを安く利用できるサービスです。オンデマンドインスタンスより最大90%安く利用でき、コスト削減に大きく貢献します。しかし、AWS側の都合でインスタンスが停止する可能性があるため、中断されても問題ないワークロードに適しています。データ解析やバッチ処理などが代表的な例です。スポット料金はインスタンスタイプによって変動し、入札価格を設定することで利用できます。

8.Compute Savings Plansを利用する

Savings Plans は、AWS のコンピューティングコストを削減し、リザーブドインスタンスと同様に料金を低く抑える (最大 72% 割引) ための最も簡単で柔軟な方法です。

予測可能なワークロードであれば、Compute Savings Plansを利用することで、大幅なコスト削減が期待できます。

 9.リザーブドインスタンスを利用する

リザーブドインスタンスは、1年間または3年間という長期にわたってインスタンスを予約することで、大幅な割引を受けることができるサービスです。Compute Savings Plansと同様に、予測可能なワークロードであれば、リザーブドインスタンスを利用することで、コストを削減できます。

AWS公式では、割引額も多いためリザーブドインスタンスよりも Savings Plans が推奨されています。

AWSのコストを削減するための手法は、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

AWSのコスト削減を行うための具体例13選!具体例や実践する際の流れも解説

AWSのコストを最適化する際の流れ

AWSのコストを最適化する際の流れ

AWSを利用する上で、無駄なコストを削減し、より効率的にリソースを活用することで、全体的なコストを削減することを目的とした取り組みをコスト最適化と呼びます。ここからは、AWSのコスト最適化を行う際の手順を解説します。

構成を把握する

コスト最適化の第一歩は、現在のAWS環境の構成を正確に把握することです。

具体的には、以下の項目を確認すると良いでしょう。

  • EC2、S3、RDSなど、どのようなサービスを利用しているか洗い出す。
  • どのようなリソース(インスタンス、バケット、データベースなど)がどれくらいの数で利用されているか把握する。
  • 各リソースのCPU、メモリ、ストレージなどのスペックを確認する。
  • 各リソースがどの程度の頻度で利用されているか確認する
  • ピーク時と閑散時の利用状況を把握する。

これらの情報を把握することで、コストがかかっている部分と、最適化の余地がある部分を特定することができます。

AWSコスト計算ツールで全体コストを把握

「AWS Pricing Calculator」や「ざっくりAWS」などのツールで現在の構成の全体コストを確認します。

構成を把握するフェーズで、確認した内容を元にリソースを選択し、リソースの利用量や使用頻度を入力しましょう。

AWS Pricing Calculator

ざっくりAWS

これらのツールを使い、以下の手順でコスト削減ができるか検証しましょう。

  1. AWS環境の構成を入力し、概算の月額費用を算出
  2. リソースのスペックや利用量を変更し、コスト変動をシミュレーション
  3. さまざまな構成を試し、コスト削減効果を検証

Well-Architected フレームワークを参考に設計・構築

AWSのコスト最適化は、単に料金を安く抑えることだけを目的とするものではありません。Well-Architected フレームワークが提唱するように、信頼性、セキュリティ、パフォーマンス、コスト最適化、サスティナビリティといった複数の柱をバランス良く考慮し、ビジネス価値を最大化する必要があります。

AWS Trusted Advisorで継続的な環境の最適化

Well-Architected フレームワークでも問題点の抽出、分析は可能な限り自動化することが推奨されています。AWS Trusted Advisorは、AWS環境を分析し、コスト最適化、セキュリティ、パフォーマンスなど、さまざまな観点から改善点を提示してくれるサービスです。

AWS環境を自動的に分析したうえで、改善点をリスト化し、各改善点に対して具体的な改善策を提案してくれます。

定期的にAWS Trusted Advisorを実行することで、環境の変化に対応し、常に最適な状態を維持できます。

詳細は、以下の記事でも解説しています。あわせてご確認ください。

AWS利用料を劇的に削減!コスト最適化のポイントと実践テクニック

まとめ

AWSのコスト管理は、ただ単に利用料を抑えるだけではなく、効率的な運用と柔軟なサービスの活用によってビジネスの成長をサポートするためにも重要です。適切な設定やモニタリング、そして定期的な最適化によって、予算内で最大の効果を得ることが可能になります。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひAWSのコスト管理に役立ててください。

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