
レッドハット、仮想化・AI製品をAWS Marketplaceで国内提供開始
レッドハットは2025年4月2日、AWS Marketplaceを通じて20種以上の仮想化およびAI製品・サービスの国内提供を開始した。
この取り組みは、企業のデジタル変革を加速させ、ハイブリッドクラウドとAIイノベーションの可能性を広げるものだ。発表によれば、仮想マシン(VM)の移行やAI活用を容易にするソリューションが中心となり、日本市場でのクラウド採用拡大に対応する。
強化された製品群
今回の国内提供では、特に「Red Hat OpenShift Virtualization」や「Red Hat OpenShift AI」が強化された。
OpenShift Virtualizationは、VMとコンテナの統合管理を可能にし、AWS EC2ベアメタル上での運用により従来のハイパーバイザー層を排除。これにより、パフォーマンスを維持しつつ管理オーバーヘッドを削減する。
一方、Red Hat OpenShift AIは、次世代AIイノベーションを支える基盤として、オンデマンドでの柔軟な導入を可能にする従量課金オプションを追加。企業は迅速にAI機能を活用し、拡張性を持たせた運用を実現できる。
追加される製品一覧
AWS Marketplaceで提供開始される主な製品は以下の通り。
Red Hat Enterprise Linux AI | AI開発向けに最適化されたLinux OS |
Red Hat OpenShift AI | AIワークロードの管理と拡張を支援するプラットフォーム |
Red Hat OpenShift Virtualization | VMとコンテナを統合運用する仮想化ソリューション |
Red Hat OpenShift Container Platform | コンテナ化アプリの開発・運用を支える基盤 |
Red Hat OpenShift Container Platform for Arm | Armアーキテクチャ向けコンテナプラットフォーム |
Red Hat OpenShift Container Platform Plus | セキュリティと管理機能を強化したコンテナ基盤 |
Red Hat OpenShift Container Platform Plus for Arm | Arm対応の強化版コンテナプラットフォーム |
Red Hat OpenShift Kubernetes Engine | Kubernetesベースのコンテナ管理エンジン |
Red Hat OpenShift Kubernetes Engine for Arm | Arm向けKubernetes管理エンジン |
Red Hat Advanced Cluster Security Cloud Service | クラウドネイティブ環境のセキュリティ強化サービス |
Red Hat Quay.io | コンテナイメージの管理と配布を支援するレジストリ |
Developer Sandbox for Red Hat OpenShift | OpenShiftを無料で試せる開発者向け環境 |
Red Hat JBoss Enterprise Application Platform | Javaアプリ開発・運用向けミドルウェア |
Red Hat Ansible Automation Platform Service on AWS | AWS上で自動化を迅速化するサービス |
Red Hat Ansible Automation Platform Subscription on AWS | AWS向け自動化プラットフォームのサブスクリプション |
Red Hat Enterprise Linux | エンタープライズ向けの高信頼性Linux OS |
Red Hat Enterprise Linux for Arm | Armアーキテクチャ対応のLinux OS |
Red Hat Enterprise Linux for SAP with HA and Update Services | SAP向け高可用性Linux OS |
Red Hat Enterprise Linux 7 Extended Life Cycle Support (ELS) | RHEL 7の延長サポートサービス |
Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration with ELS | 他Linuxからの移行支援付きOS |
Red Hat Subscriptions ※ | Ansible、OpenShift、RHEL等の年間サブスクリプション |
※Ansible、OpenShift、RHEL など Annual Subscription の製品が含まれます。オンデマンドでの提供ではなく 1 年間有効なサブスクリプションとして提供されます。
ハイブリッドクラウドとAIの需要増
この動きの背景には、国内企業におけるハイブリッドクラウドとAIの需要急増がある。
レッドハットは、AWSとの協業を通じて、クラウドネイティブなソリューションへの移行を支援しつつ、既存IT資産のモダナイズを求める声に応えた。
特に、VM移行の複雑さやAI導入のハードルを下げるため、「Migration Toolkit for Virtualization」や「Red Hat Ansible Automation Platform」との連携を強化。大規模移行の時間短縮と自動化を実現し、企業の競争力向上を後押しする。
オンプレミスとクラウド双方で、一貫した運用環境を提供
今回の AWS マーケットプレイスにおける取り組みの強化は、Red HatとAWSがグローバルで開発、推進しているGo-to-Market ロードマップに基づいて推進されている。
このロードマップは、Red Hat のオープンソース技術と AWS のクラウドインフラストラクチャを組み合わせたハイブリッドクラウドソリューションを中心に、企業がデジタル変革を進める支援を目的としている。
今回の国内提供開始は、アプリケーションのモダナイズやVM移行、AI導入を支援する具体的なステップであり、今後はさらなる実証活動やパートナー連携が予定されている。これにより、クラウド環境全体での活用可能性が広がる。
手軽な導入で下がる、イノベーションの障壁
この取り組みは、国内におけるハイブリッドクラウド全体の仮想化とAIイノベーションに大きな影響を与えるだろう。
企業は、オンプレミスとクラウドを組み合わせた柔軟なインフラを構築しやすくなり、AIを活用したデータ分析や自動化が加速する。特に、中小企業やスタートアップにとっては、AWS Marketplace経由での手軽な導入がイノベーションの障壁を下げ、競争力強化につながる可能性がある。
また、オープンソース技術を基盤とするレッドハットの強みを活かし、ベンダーロックインを回避しながらイノベーションを推進できる点も見逃せない。
レッドハットが描くデジタル未来
レッドハットが描くデジタル未来は、今回のリリースで一歩近づいた。しかし、企業が求める真の価値は、技術の提供を超えたビジネス成果にある。
ハイブリッドクラウドとAIの融合が、日本の産業全体にどのような変革をもたらすのか、その答えはこれからの展開にかかっている。