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システム運用保守はきついのか?実態や解消方法・将来のキャリアパスについて解説

システム運用保守はきついのか?実態や解消方法・将来のキャリアパスについて解説

システム運用保守はきついのか?実態や解消方法・将来のキャリアパスについて解説

システム運用保守の仕事は、長時間労働、突発的なトラブル対応、評価のされにくさなどから、「きつい」と感じている担当者の方は多いのではないでしょうか。

しかし、システム運用保守は「きつい」だけではありません。課題を乗り越えることで得られるスキルやその先に広がるキャリアパスも大きな魅力です。

本記事では、システム運用保守の仕事内容から「きつい」と感じる理由、具体的な課題解決策、将来のキャリアパスまで詳しく解説します。

ぜひ最後まで読み進め、キャリアをより良いものにするための第一歩を踏み出してください。

システム運用保守の仕事内容とは?

システム運用保守の仕事内容とは?

システム運用保守とは、企業のITシステムを安定稼働させるための業務です。

システム運用は、日々の監視や定期的なメンテナンス、バックアップなどを通して、システムを正常な状態で稼働させるための業務です。

一方、システム保守は、障害発生時の復旧作業やシステムの改善・改修など、問題解決と機能向上を担います。

一見地味ですが、ビジネスの根幹を支える重要な役割です。しかし、システム運用保守には、様々な課題が潜んでおり、「きつい」と感じさせる要因となっています。

システム運用保守の具体的な仕事内容について知りたい方は、「【システム運用保守の仕事内容】監視・保守から障害対応まで、具体的な業務内容を紹介」をご覧ください。

なぜ「きつい」と言われるのか? 現場が直面する5つの課題

なぜ「きつい」と言われるのか? 現場が直面する5つの課題

ここからは、システム運用保守の現場が直面する5つの代表的な課題を詳しく解説していきます。

慢性的な人手不足と長時間労働

システム運用保守の現場では、慢性的な人手不足が深刻な問題となっています。ITシステムの複雑化や24時間365日の稼働要求により、業務量は増え続ける一方、人員は不足しがちです。

この結果、一人当たりの業務負担が増大し、長時間労働や休日出勤が常態化してしまうケースも少なくありません。常に時間に追われ、心身ともに疲弊してしまうエンジニアもいるでしょう。

突発的なトラブル対応とプレッシャー

システム運用保守では、突発的なトラブルや障害は避けられません。システムが停止すれば、業務に支障をきたし、企業の信用にも関わります。そのため、迅速な対応が求められ、プレッシャーにさらされます。

障害発生時には、原因究明、復旧作業、再発防止策の検討など、多くのタスクを限られた時間内でこなす必要があります。夜間や休日の呼び出しも珍しくなく、プライベートな時間を犠牲にすることもあるでしょう

このような緊張感と責任の重さが、運用保守の仕事を「きつい」と感じさせる大きな要因の一つとなっています。

属人化された業務

システム運用保守の現場では、属人化が大きな課題となっています。属人化は、業務手順やノウハウが特定の担当者に集中し、他の人が理解できない状態を指します。

属人化が進むと、担当者が不在になった場合、業務が滞ってしまうリスクがあります。また、引継ぎも困難になり、新しい担当者の負担が増えるだけでなく、ミスやトラブル発生の可能性も高まります。

属人化は、個人のスキルや経験に頼らざるを得ない状況から生まれることもありますが、情報共有不足やマニュアルの未整備など、組織的な問題が背景にあるケースも多いです。

技術変化への対応とスキルアップの難しさ

IT業界は常に進化しており、システム運用保守の現場も例外ではありません。新しい技術やツールの登場、システムのアップデートなど、常に変化に対応していく必要があります。

しかし、日々の業務に追われる中で、新しい技術を習得するための時間や機会を確保することは容易ではありません。また、研修制度が整っていない企業も多く、スキルアップの機会が限られている場合もあります。

さらに、現場のシステム変更や、クラウド化への移行など、環境の変化によって、これまでとは異なる技術の習得が必要になるケースも増えています。

常に学習し続けなければ、技術の変化に取り残されてしまうという焦りや不安を感じるエンジニアもいるでしょう。

評価されにくい仕事とキャリアパスの不明確さ

システム運用保守の仕事は、システムが正常に動いていることが当たり前とされがちです。そのため、問題が起きた時以外は注目されにくく、日々の努力や成果が評価されにくいと感じることがあります。

また、キャリアパスが明確でないことも課題です。専門性を高めていく道筋や、マネジメントへのキャリアアップなどがイメージしづらい場合があり、将来への不安につながることがあります。

このような「評価のされにくさ」や「キャリアパスの不明確さ」は、モチベーションの低下や離職に繋がりかねません。

しかし、これらの課題にも解決策はあります。次の章では、システム運用保守における「きつい」を解消するための具体的な方法を3つ紹介します。

システム運用保守における「きつい」の解消方法3選

システム運用保守における「きつい」の解消方法3選

システム運用保守の「きつい」部分を解消し、より働きやすく、やりがいを感じられるようにするための3つの方法を紹介します。

スキルアップや資格取得を通じて、業務効率化を目指す

スキルアップや資格取得は、システム運用保守の「きつい」を解消する有効な手段です。新しい技術やツールの習得は、業務効率化や問題解決能力向上に直結します。

例えば、スクリプト作成スキルを習得すれば、定型作業を自動化し、時間を節約できます。

また、資格取得は、自身のスキルを客観的に証明し、自信とモチベーション向上に繋がります。専門知識を深めることで、より高度な業務に挑戦できるようになり、キャリアアップにも役立ちます。

継続的な学習を通して成長を実感することで、「きつい」と感じていた業務も、こなせるようになるでしょう。

上司と業務量を調整する

システム運用保守の「きつい」と感じている大きな要因の一つが、業務量の多さや偏りです。これを解消するには、上司との積極的なコミュニケーションが欠かせません。

まずは、自分の業務量や抱えている課題を具体的に伝えましょう。タスク管理ツールなどを活用して、業務の見える化を図ることも効果的です。

その上で、上司と相談しながら、業務内容や役割分担の調整、人員増強の検討など、具体的な解決策を探っていきましょう。

一人で抱え込まずに、上司を頼ることで、業務負担を軽減し、より働きやすい環境を実現できるはずです。

外部サービスの活用(アウトソーシング)

外部サービスの活用、いわゆるアウトソーシングは、システム運用保守の負担を軽減する効果的な手段です。

専門性の高いベンダーに業務を委託することで、社内リソースをコア業務に集中させることができます。24時間365日の監視体制や迅速なトラブル対応も実現でき、夜間や休日の呼び出し対応からも解放されます。

アウトソーシングは、コスト削減やセキュリティ強化、最新技術への対応など、様々なメリットをもたらします。運用保守の「きつい」部分を外部に任せることで、より働きやすい環境を実現し、本来の業務に集中できるようになるでしょう。

企業のITシステムの安定稼働と効率化を支援するフルマネージドサービスである「JIG-SAW OPS」について詳しく知りたい方は、「WHAT is JIG-SAW OPS ?」をご覧ください。

システム運用保守で身に付く5つのスキル

システム運用保守で身に付く5つのスキル

システム運用保守の現場で経験する様々な課題や業務を通して、エンジニアとして大きく成長できるスキルが5つあります。

問題解決能力

システム運用保守における突発的なトラブルや障害において、迅速かつ的確に原因を特定し、解決策を導き出すことが求められます。

この過程で、論理的思考力、分析力、状況判断力など、様々な問題解決能力が鍛えられます。問題の根本原因を突き止め、最適な解決策を選択し、再発防止策を立てることで、システムの安定稼働に貢献できます。

また、問題解決能力は、運用保守の現場だけでなく、あらゆるビジネスシーンで必要とされるスキルです。

問題解決能力を磨くことは、エンジニアとしての市場価値を高めるだけでなく、自身のキャリアアップにも繋がります。

技術力

システム運用保守では、プログラミング言語、OS、ミドルウェア、ネットワーク、データベースなど、システムを構成する様々な要素に関する知識と技術が求められます。

日々の運用業務やトラブルシューティングを通して、これらの技術に触れ、実践的なスキルを習得できます。また、システムの進化に合わせて、常に新しい技術を学び続ける姿勢も重要です。

幅広い技術力を身につけることで、システムの安定稼働に貢献できるだけでなく、市場価値の高いエンジニアとして、自身のキャリアを広げることも期待できます。

コミュニケーション能力

システム運用保守では、開発者、利用者、ベンダーなど、様々な関係者との連携が不可欠です。そのため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。

例えば、障害発生時には、状況を正確に把握し、関係者に分かりやすく報告する必要があります。

また、開発者と協力して原因究明や改修を行う際には、技術的な内容を分かりやすく伝え、相互理解を深めることが重要です。

運用保守の現場で培われるコミュニケーション能力は、チームワークや協調性を育み、円滑な業務遂行に貢献します。また、顧客対応や交渉など、ビジネスシーンでも活かせるスキルが身につきます。

責任感と忍耐力

システム運用保守では、システムの安定稼働を維持するという大きな責任が伴います。障害発生時には、迅速かつ的確に対応し、復旧させることが求められます。

また、トラブルシューティングは長期化することもあり、忍耐強く原因究明や対応を続ける必要があります。時には、厳しい状況下でも冷静さを保ち、プレッシャーに打ち勝つ精神力も必要です。

これらの経験を通して、責任感と忍耐力が自然と身につき、困難な状況にも対応できる強い精神力を養うことができます。

自己管理能力

システム運用保守では、膨大な情報量を管理し、複数のタスクを同時並行で進める必要があります。そのため、優先順位を適切に判断し、効率的に業務を進める自己管理能力が不可欠です。

また、技術の進歩に遅れを取らないよう、常に新しい知識やスキルを学習し続ける姿勢も重要です。日々の業務に加えて、自己学習の時間を確保し、計画的にスキルアップを図る自己管理能力が求められます。

運用保守の現場で培われる自己管理能力は、自身の成長を促し、キャリアアップにも繋がります。

システム運用保守の経験を活かせるキャリアパス3選

システム運用保守の経験を活かせるキャリアパス3選

システム運用保守の経験は、様々なキャリアパスに繋がります。ここでは、代表的な3つの選択肢を紹介します。

運用保守のスペシャリストとしてのキャリアアップ

運用保守のスペシャリストとしてのキャリアアップは、専門知識と豊富な経験を武器に、システムの安定稼働を支えるエキスパートを目指す道です。

具体的には、大規模システムや複雑なシステムの運用、高度なトラブルシューティングなど、より難易度の高い業務に挑戦することで、専門性を高めていきます。

また、開発と運用の両方の知識を活かしてシステムの信頼性向上を図る役割も、スペシャリストとしてのキャリアパスの一つです。

運用保守のスペシャリストは、企業にとって欠かせない存在となり、高い評価とやりがいを得られるでしょう。

運用保守の経験を活かした他職種へのキャリアチェンジ

システム運用保守の経験は、幅広いIT分野の基礎知識や問題解決能力を培うため、様々な職種へのキャリアチェンジを可能にします。

例えば、インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどの基盤を構築・運用する仕事です。運用保守で得た知識やトラブルシューティング能力を活かし、安定したインフラ環境を提供できます。

また、セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃などからシステムを守る役割を担います。運用保守で培ったセキュリティ知識や監視スキルは、セキュリティ対策に大いに役立ちます。

さらに、クラウドエンジニアは、クラウドサービスの設計・構築・運用を行います。運用保守の経験は、クラウド環境への移行や運用管理をスムーズに進める上で重要な要素です。

マネジメント・コンサルティングへのキャリアパス

システム運用保守で培った経験とスキルは、マネジメントやコンサルティングといったより高度なキャリアパスにもつながります。

例えば、プロジェクトマネージャーは、システム開発や運用プロジェクト全体の管理を担います。運用保守で得たシステム全体の理解やリスク管理能力は、プロジェクトを円滑に進める上で役立ちます。

また、ITコンサルタントとして、企業のIT戦略立案やシステム導入を支援することも可能です。運用保守で培った技術知識や課題解決能力は、顧客のビジネス課題を深く理解し、最適なソリューションを提案する際に活かされます。

これらのキャリアパスを実現するには、運用保守の経験を土台に、より広い視野と戦略的な思考力を身につけることが重要です。

システム運用保守のやりがい

システム運用保守のやりがい

システム運用保守の仕事には、「きつい」と感じる側面がある一方で、やりがいも存在します。

ここでは、システム運用保守の仕事だからこそ得られる、3つの大きなやりがいについて解説します。

社会インフラを支える責任感と達成感

システム運用保守は、生活や社会を支える重要なインフラを陰ながら支えています。企業の基幹システムから、公共交通機関、金融サービス、医療機関のシステムまで、影響範囲は広大です。

これらのシステムが安定稼働することで、人々の生活や経済活動が円滑に進みます。もしシステムが停止すれば、業務が滞り、社会全体に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

システム運用保守は、システムの安定稼働を維持するという大きな責任を担っています。日々の監視やメンテナンス、トラブル発生時の迅速な対応など、地道な努力を通して、社会インフラを支えているという実感と、大きな達成感を味わうことが可能です。

問題解決能力や専門スキルを活かせる面白さ

システム運用保守では、予期せぬトラブルや課題が発生します。これらの問題を解決していく過程で、エンジニアとしてのスキルを最大限に発揮し、自身の成長を実感できる面白さがあります。

例えば、原因不明のシステム障害が発生した際、ログ解析や各種ツールの活用など、あらゆる手段を駆使して問題の根本原因を突き止め、解決へと導きます。このプロセスは、まさにエンジニアとしての腕の見せ所であり、問題解決能力や専門スキルを存分に活かせる場面です。

自身の知識や経験を活かしてシステムを最適化し、より良いサービスを提供できた時の達成感は、大きなやりがいとなるでしょう。

自己成長できる環境

システム運用保守は、日々の業務を通して自己成長を実感できる環境です。トラブルシューティングやシステム改善など、課題や問題に直面するたびに、解決に向けて試行錯誤し、成長することができます。

また、運用保守の経験は、幅広いIT知識や問題解決能力を養うだけでなく、コミュニケーション能力や責任感、忍耐力など、人間的な成長にも繋がります。

これらの経験を通して得られるスキルや知識は、自身の市場価値を高め、キャリアアップの可能性を広げます。

まとめ

本記事では、運用保守の現場が直面する課題と解決策、身に付くスキルやキャリアパスについて解説してきました。

システム運用保守の仕事は、「きつい」と感じる側面もありますが、同時に多くのやりがいと成長の機会があります。

スキルアップやキャリアプランを明確にすることで、運用保守の仕事は、大きなやりがいと充実感をもたらすものになるでしょう。

もし、運用保守の負担軽減や効率化を検討する際は、ぜひ「JIG-SAW OPS」をご検討ください。24時間365日の監視・運用代行を通して、お客様の業務を力強くサポートいたします。

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