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【速報】Google Cloud Next 2025 Developer Keynoteレポート「You Can Just Build Things」

【速報】Google Cloud Next 2025:Developer Keynoteレポート「You Can Just Build Things」

ラスベガスで開催されている米Google主催のイベント「Google Cloud Next 2025」にて、2025年4月10日(現地時間)、Developer Keynote「You Can Just Build Things(あなたはただ作ればいい)」が講演されました。

Brad Calder氏がホストを務めたこのセッションは、Google Cloudが開発者に提供する最新技術を披露し、AIを活用した革新的な開発手法を強調するものでした。

今回は、この魅力的なセッションのレポートを速報でお届けします。

エージェント革命の幕開け

冒頭でCalder氏は、Google Cloudがソフトウェア開発を革新する3つの柱を発表しました。

まず注目されたのは「エージェントアプリケーション」の進化です。AIを動力源とするエージェントは、計画し、推論し、学習し、協働し、ユーザーのために行動する能力を備えています。

このビジョンを実現するため、GoogleはAgent Development Kit(ADK)、Agent Engine、そしてAgentspaceという3つの新ツールを公開しました。

Agent Development Kit(ADK)エージェントや高度なマルチエージェント システムの構築を簡素化する新しいオープンソースフレームワークです。

エージェントの動作を正確に制御しながら、100 行未満の直感的なコードで AI エージェントを構築できます。
Agent EngineAI エージェントを簡単に本番環境にデプロイできるフルマネージド ランタイムです。

プロトタイプから本番環境への移行時にエージェント システムを再構築せず、エージェントのコンテキスト管理、インフラストラクチャ運用、スケーリングの複雑さ、セキュリティ、評価、および監視を一括で処理します。
Agentspace企業向けの AI エージェントプラットフォームです。Agentspaceはエージェントの共有と発見を可能にします。

この力を示すデモでは、Paige Bailey氏とLogan Kilpatrick氏が登場。Google AI StudioとGemini 2.5 Proモデルを使い、キッチンのリフォーム計画を瞬時に作成しました。

簡単なプロンプトから始まり、予算や地元の規制を考慮した詳細なプランとビジュアライゼーションが生成される様子は圧巻。Geminiのマルチモーダル機能(画像やテキストを統合処理)と巨大なコンテキストウィンドウが、リアルタイムで実践的な提案を生み出す様子に会場は沸きました。

開発者の生産性を極限まで引き上げる

2つ目の柱は、開発者の生産性向上。AI コーディング アシスタントであるGemini Code AssistとCloud Assistエージェントが、コーディングからクラウド運用までを効率化します。Dr. Fran Hinkelmann氏のデモでは、ADKを使って建築業者のためのエージェントを構築。顧客の要望からPDF提案書を生成するプロセスを披露しました。

地元の建築基準を分析するツールを組み込み、Geminiが適切なタイミングで呼び出す仕組みは、シンプルかつ強力。さらに、Dr. Abirami Sukumaran氏は多エージェントシステムを紹介。

提案書作成、許可申請、資材発注を3つのエージェントで連携させ、Vertex AI Agent Engineで運用する様子を見せました。デバッグには新機能Cloud Investigationsが活用され、バグを迅速に特定・修正する姿は開発者にとって夢のようでした。

Geminiとモデルの選択肢が支える未来

これらを支えるのは、Geminiモデルの力。巨大なコンテキストウィンドウとマルチモーダル対応で、ビデオやコードをリアルタイム処理します。

Debi Cabrera氏は、GeminiがWindsurfやCursor、IntelliJなどの人気IDEで使えることを実演。Javaマイクロサービスの生成やスペイン語でのテスト追加を披露し、開発者の選択肢を広げる姿勢を示しました。また、Vertex AI Model Gardenでは、LlamaやClaudeなど200以上のモデルを利用可能。

Claude 3.7をGoogle Cloudにデプロイし、低レイテンシーと高い安全性を実現する例は、柔軟性の証明でした。

現実世界への応用:スポーツからエンタメまで

AIの実用性を示す例として、Jake DiBattista氏がGoogle Cloud MLBハッカソンの成果を発表。Geminiを使い、野球のピッチング解析ツールを1週間で構築しました。

Clayton Kershawの投球とアマチュアの投球を比較し、改善点を提案するアプリは、特別な機材不要で誰でも使える手軽さが魅力。一方、エンタメ分野では、Sphereが「オズの魔法使い」を360度体験に変えるプロジェクトを紹介。

Veo 2モデルが1939年の映像を高解像度化し、視野外のキャラクターを生成する技術は、AIが文化遺産を現代に蘇らせる可能性を示しました。

次なるステップ:データと開発の未来

Jeff Nelson氏は、Data Science Agentを披露。BigQuery、Vertex AI、Colabを統合し、売上データを数クリックで予測アプリに変換しました。SQL、Spark、Pythonをシームレスに切り替え、非専門家でも洞察を得られる点が強調されます。

また、Scott Densmore氏はGemini Code Assist Kanban Boardを予告。開発ライフサイクル全体をエージェントが管理し、単純作業を排除する未来像を描きました。

あなたは何を作る?

「You Can Just Build Things(あなたはただ作ればいい)」というテーマ通り、Google Cloudは開発者に無限の可能性を提示しました。AI Studioで実験し、ADKでエージェントを作り、Vertex AIでスケールする——今すぐ始められるツールが揃っています。

Jake氏の野球アプリやSphereの映画体験を見れば、アイデア次第で世界を変えられることが分かります。では、あなたは次に何を創りますか?その答えが、このイベントの真のクライマックスとなるでしょう。

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