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AWSセキュリティサービス 用途別15選!利用するメリット・デメリットも解説

この記事は約13分で読めます。

AWSのセキュリティサービスは多岐にわたり、どれを選べば良いか迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AWSの代表的なセキュリティサービス15選を厳選し、それぞれの機能や特徴、活用方法を詳しく解説します。クラウド環境におけるセキュリティ対策の基礎から、高度な脅威に対応するための最新技術まで、幅広く網羅しています。

自社のAWS環境のセキュリティ強化を行いたい企業はぜひ参考にしてください。

AWSセキュリティサービスとは?

AWSセキュリティサービスは、Amazon Web Services(AWS)が提供する、クラウド上のデータやアプリケーションを保護するための多岐にわたるサービス群です。これらのサービスは、お客様が安全かつ安心してAWSのクラウド環境を利用できるよう、様々なセキュリティ対策を提供しています。

  • ネットワークセキュリティ
  • データ保護
  • アクセス管理
  • コンプライアンス
  • セキュリティ監視

上記のようなさまざまなセキュリティ要件に対応するために多くのサービスが提供されています。

例えば、データの暗号化を行うKMS(Key Management Service)、不正アクセスを防ぐためのIAM(Identity and Access Management)、セキュリティの脅威を監視するGuardDutyやSecurity Hubなどがあり、それぞれのサービスが連携することで、包括的なセキュリティ対策の実現が可能です。

AWSが提供する15個のサービスを分野ごとにわかりやすく解説します。

アイデンティティとアクセス管理ができるAWSサービス

AWSは、多様な認識とアクセス管理サービスを提供しており、組織全体のユーザーを効率的に管理し、適切なセキュリティ対策を実現するこれにより、クラウドリソースへの不正アクセスを防ぎ、データ保護を強化します。以下では主要なサービスを紹介します。

AWS Identity and Access Management(IAM)

IAM は、AWS リソースへのアクセスを安全に制御するための基盤となるサービスです。AWS アカウント内のユーザー、グループ、ロールを作成し、それらに許可または拒否するアクションを定義することで、細かなアクセス制御を実現できます。

IAM を活用することで、最小権限の原則に基づくアクセス管理ができ、シングルサインオン(SSO)や多要素認証の設定を行うことで、セキュリティを高めながらも柔軟な運用が可能です。IAMは、AWSのセキュリティ運用を行う上で欠かせないサービスとなっています。

AWS Cognito

AWS Cognitoは、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションで使用されるユーザー認証、認可、およびユーザーデータの保存を管理するためのサービスです。

ユーザーのログインIDやパスワード管理も可能で、既存のIDプロバイダー(Facebook、Instagram、Googleなど)と連携し、ソーシャルログインの実現もできます。また、IAMロールと連携し、Cognitoで認証されたユーザーにAWSリソースへのアクセスを許可するといった活用法もあります。

脅威検出が可能なAWSセキュリティサービス

AWS は、推定検出のために強力なセキュリティサービスを提供しており、クラウド環境内での不正な活動やセキュリティリスクを早期に発見できます。これにより、潜在的な仮説に迅速に対応し、インフラストラクチャやデータを保護することが可能です。

Amazon GuardDuty

Amazon GuardDutyは、機械学習を用いてAWS環境全体の脅威を継続的に監視し、検出するマネージド型の脅威検出サービスです。AWS CloudTrail、VPC Flow Logs、DNS Logsなどのログデータを分析し、不正なアクティビティや異常な動作を検知します。

Amazon Inspector

Amazon Inspectorは、AW​​S環境内のEC2インスタンスやコンテナイメージの脆弱性とコンプライアンス予測を検出するサービスです。

Inspectorは、定期的な脆弱性スキャンを実施し、セキュリティのリスクがあるかどうかを評価します。 また、自動的にスキャンした結果をダッシュ​​ボードに表示し、優先的に対処すべき問題を検出してくれます。これにより、セキュリティ管理者は迅速に対応策を行ったり、脆弱なポイントを修正することが可能です。

Amazon Macie

Amazon Macieは、機械学習を用いてS3バケット内の機密データを自動的に検出し、保護するサービスです。個人情報やクレジットカード情報、社会保障番号やマイナンバーを含むデータを特定し、不正なアクセスやデータ漏洩を防ぎます。

自社のセキュリティ要件に合わせたデータ分類のカスタマイズも可能な、S3のセキュリティを強化する上で欠かせないサービスです。

ネットワーク保護が可能なAWSセキュリティサービス 

ここからは、代表的なネットワーク関連のAWSセキュリティサービスを解説します。

AWS WAF(Web Application Firewall)

AWS WAFは、WebアプリケーションとAPIを保護するためのマネージド型のWebアプリケーションファイアウォールです。

  • Webアプリケーションへの攻撃を検出し、ブロック
  • APIへの不正なアクセスを防止
  • 特定のIPアドレスからのアクセスを許可または拒否
  • 1秒あたりのリクエスト数を制限(DDos対策)
  • 特定の国や地域からのアクセスを制限

これらの設定を行い、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング (XSS)、DDoS攻撃など、一般的なWebアプリケーションへの攻撃から保護します。

ACL

ACL (Network Access Control List) は、サブネットへの入出力トラフィックを制御するためのアクセス制御リストです。IPアドレス、ポート番号、プロトコルに基づいて、どのトラフィックを許可し、どのトラフィックを拒否するかを細かく設定できます。

AWS セキュリティグループ

AWSセキュリティグループは、インスタンスへの入出力トラフィックを制御するための仮想ファイアウォールです。インスタンスごとにセキュリティグループを設定し、許可するインバウンドルールとアウトバウンドルールを定義します。

セキュリティグループは、ACLと組み合わせて使用することで、より強固なセキュリティを実現できます。

暗号化とキー管理が可能なAWSセキュリティサービス

続いて、キー管理、証明書管理のためのAWSセキュリティサービスを解説します。

AWS Key Management Service(KMS)

AWS KMSは、クラウド上のデータを安全に保護するためのサービスです。AWSの暗号化、復号化では以下の2種類のキーが使用されます。

  • データキー:実際にデータを暗号化/復号するために使用される
  • マスターキー:データキーを暗号化するために使用される上位レベルのキー

KMSを使用することで、企業はキーを安全に保管でき、アクセス制御やログの管理が可能になります。また、データキーを定期的に、自動でローテーションしてくれるため、セキュリティリスク低減になります。

AWS Certificate Manager(ACM)

AWS Certificate Manager(ACM)は、SSL/TLS証明書を簡単に作成、管理できるサービスであり、WebサイトやAPIの通信を暗号化し、安全な接続を確保するために必須のサービスです。

SSL/TLS証明書とは、WebサイトやAPIを「HTTPS化」し、通信の安全性を確保するために使用する証明書です。

  • ドメイン名を入力するだけで、SSL/TLS証明書を自動的に作成可能
  • 証明書の有効期限管理、更新、失効などを自動化

ACMの上記機能を活用することで、SSL/TLS証明書の作成や管理の手間が削減できます。

ログ記録と監査が可能なAWSセキュリティサービス

AWS環境におけるセキュリティ確保には、発生したイベントの記録と分析が不可欠です。そこでAWSでは、セキュリティ上の監査やコンプライアンス要件を満たすために、詳細なログ記録とモニタリング機能を提供しています。

続いて、ログ記録や監査時に利用できるAWSセキュリティサービスを解説します。

Amazon CloudWatch

Amazon CloudWatchは、AWSリソースのパフォーマンスと動作に関するデータを収集、監視、そして可視化するサービスです。

ただ監視するだけでなく、以下の機能も提供しています。

  • CloudWatch Logs:アプリログ、システムログ、カスタムログなどを収集・保存
  • CloudWatch Alarm:メトリクスやログデータに基づいてアラートを生成
  • CloudWatch insight:CloudWatch Logsのデータを分析

これらの機能を活用することで、AWS環境の異常検知、アラート、復旧の自動化も可能となり、セキュリティ強化につながります。

AWS CloudTrail

AWS CloudTrailは、AWSアカウントにおけるAPI呼び出しのログを記録するサービスです。AWS環境における「行動記録」であり、「誰が、いつ、どのリソースに対して、何をしたか」という詳細な情報が記録されます。

AWS CloudTrailのログは、セキュリティインシデントの調査、コンプライアンスへの対応、監査証跡の確保など、様々な目的に活用できます。

Amazon VPC Flow Logs

VPC Flow Logsは、VPC内のネットワークトラフィックを監視し、ログを記録するサービスです。

このサービスは、VPC内のインスタンスやサブネット間の通信状況を詳細に把握し、トラフィックが正常に流れているか、不審な動きがないかを確認するために利用されます。また、セキュリティグループのルールが意図したとおりに機能しているか確認もできます。

その他のAWSセキュリティサービス

AWSは、ほかにも多様なセキュリティニーズに対応するために、複数の専門的なセキュリティサービスを提供しています。

AWS Security Hub

AWS Security Hubは、AWS環境全体のセキュリティ状況を一元管理するサービスです。複数のセキュリティツールからのデータを集約し、セキュリティインシデントの発見と対応を効率化します。

Security Hubは、ベストプラクティスに基づく評価機能を提供し、脅威を可視化しやすくします。また、他のAWSセキュリティサービスと統合して、インシデント発生時の迅速な対応を可能な点も魅力です。

AWS Shield

AWS Shieldは、DDoS攻撃からの保護を提供するサービスです。AWS Shield Standardは、無料ですべてのAWSユーザーに自動的に適用され、DDoS攻撃を検出して自動的に緩和します。より高度な保護が必要な場合は、有料のAWS Shield Advancedを使用することで、リアルタイムの監視、インシデント対応サポート、攻撃に対する損害補償など、強力なセキュリティ機能が提供されます。

これにより、ウェブアプリケーションやサービスの可用性を確保しつつ、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。

AWS Config

AWS Configは、AWSリソースの設定を追跡、記録し、変更があった場合にその履歴を管理するサービスです。これにより、リソースの構成や変更に関する完全な監査証跡を提供し、設定ミスやセキュリティ違反の早期検出が可能です。

Configは、特定のコンプライアンス要件に基づいた自動評価を行う機能も備えており、適切な設定を維持するための重要なツールです。AWS環境の構成管理とコンプライアンス対応に不可欠な役割を果たし、セキュリティを強化します。

AWSセキュリティサービスを利用するメリット

AWSセキュリティサービスを利用することで、高度なセキュリティ対策を手軽に導入し、コストとリスクを抑えつつ、信頼性の高い保護を実現できます。ここからは、セキュリティ対策としてAWSサービスを利用するメリットを解説します。

容易に世界標準のセキュリティを適用できる

AWSのセキュリティサービスを利用することで、企業は容易に国際的なセキュリティ基準に対応した対策を導入できます。

AWSは、多くの業界や地域で求められるコンプライアンス規制に適合しており、ユーザーは煩雑な設定を行うことなく、クラウド上でグローバルレベルのセキュリティを即座に適用できます。また、自動化された監視やログ管理により、継続的なセキュリティ強化も容易です。

セキュリティアップデートが頻繁に行われる

AWSでは、セキュリティアップデートが定期的かつ迅速に行われるため、新たな脅威や攻撃手法に対応した最新の防御が常に提供されます。ユーザー側で個別にアップデートを実施する必要がないため、時間や労力を削減可能です。

さらに、クラウド全体に一貫してセキュリティ更新が適用されることで、脆弱性への対策が確実に行われ、安全性が常に維持されます。

セキュリティの管理費用が抑えられる

AWSセキュリティサービスを利用することで、専用のハードウェアやオンプレミスのセキュリティインフラを設置・運用するコストを削減できます。

AWSは、従量課金制を採用しているため、必要な分だけセキュリティ機能を利用でき、無駄な支出を抑えられます。また、管理の自動化やツールの統合により、運用コストや人件費も削減でき、全体的な管理費用が大幅に軽減されます。

優れた災害対策ができる

AWSのセキュリティサービスは、災害対策に優れており、データのバックアップ、冗長化、グローバルな可用性を実現します。

AWSのリージョンやアベイラビリティゾーンを活用することで、地理的に分散したバックアップや自動フェイルオーバーが可能になり、災害時にも迅速な復旧が期待できます。これにより、事業継続性が確保され、予期しない障害にも強いインフラが構築できます。

AWSセキュリティサービスを利用するデメリット

AWSセキュリティサービスは強力ですが、利用にはいくつかのデメリットも存在します。以下では、その主な課題について説明します。

自社でセキュリティ対策を行うべき箇所が存在する

AWSが提供するセキュリティサービスによって、クラウドインフラのセキュリティを大幅に強化できますが、すべてのセキュリティ対策を完全にAWSに委任することはできません。

AWSとユーザーがセキュリティ責任を共有するモデルであるため、ユーザーは自身のデータやアプリケーションのセキュリティ対策を担う必要があります。自社で開発したアプリケーションの脆弱性診断やパッチ適用などは、自社で行う必要があります。

また、社内からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐための対策は、AWSのサービスだけでは十分ではないため、独自の対策が必要です。

他のクラウドサービスやオンプレミス環境との連携が難しい

AWSのセキュリティサービスは、AWS環境に最適化されていますが、他のクラウドサービス(AzureやGoogle Cloudなど)やオンプレミス環境との連携には最適化されていません。

異なるプラットフォーム間での統合には追加の設定やツールが必要で、特にハイブリッド環境を構築している企業にとっては、シームレスな運用を実現するために専門的な知識や外部のサービスが必要になることがあります。

また、ネットワークセキュリティの設定やアクセス管理の細かい調整には、セキュリティやクラウドに関する高度な理解が必要です。誤った設定をすると、かえって脆弱性を生む可能性があるため、専門家のサポートが欠かせない場合もあります。

まとめ

AWSのセキュリティサービスは、多種多様なサービスが提供されており、それぞれに特徴と得意分野があります。本記事では、15種類の代表的なセキュリティサービスを用途別に解説し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説しました。

AWSのセキュリティサービスを活用することで、クラウド環境におけるセキュリティ対策を強化し、データ漏洩や不正アクセスといったリスクを低減することができます。しかし、すべてのサービスを導入する必要はなく、自社のセキュリティ要件に合わせて最適なサービスを選択することが重要です。

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